読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

そもそも長時間労働していたらADHDにはよくないしほかの精神疾患も悪化する

すぐ忘れるので。
もうひとつ書いておきます。
医療的側面の問題です。

今までの流れは↓参照

menhera.jp

ポイント

  • 一般論としてストレスは精神疾患を悪化させる
  • 長時間労働はストレスを増大させる
  • したがって、本人がどう思っているかと関係なく精神疾患を抱えているなら医療的側面から長時間労働すべきでない

免責事項

なお、ぼくは医者ではないです。
ただし教員免状をもっている関係で、障害児教育方面からの教育心理学・臨床心理学の単位は取得しています。
そういう人間の語る「一般論的な話」だとしてお聞きください。

詳細

ストレスと精神疾患の関係について。

ストレス(正確に言えばストレッサー)というのは、本来的には人間が生物として活動する限り受けるものです。

人類が今のような社会ではなく、野山で狩猟採集をおこなっていたときのことを考えてください。

遠方に獲物の鹿を見つけたので、注意深く忍び寄りヤリを構えます。
このとき、人間の体内では多量のアドレナリンが放出されます。
その効果によって心拍数は高まり、脳は興奮します。

あるいは虎のような天敵が近づいてきたとき。
見つからないように穴にこもり、息をひそめます。
やはりアドレナリンが放出され、
いつ襲われても逃げ出せるよう、やはり心拍に変動が起き筋肉も緊張します。

ストレスとは、もともとこういったものです。
なにか「コト」があると対応できるように、カラダが即応体制に入るわけです。

現代社会でも、人はおなじ生き物のままですから、
おなじ仕組みで生きています。

問題は、都市生活が狩猟採集とはまったく異なる性質をもつ、ということです。

会社で業務をしているとします。
まあ、半分冗談ですが、いつ敵=上司とかヘンな同僚が仕事で話しかけてくるかわかりません。
電話がかかってきて顧客からクレームが入るかわかりません。
常に「即応体制」でいる必要があるわけです。

会社から帰るにしても、
ぎゅうぎゅう詰めの電車の中で、
パーソナルスペースを保てない状態で他の個体と接触した状態を強制されます。
なにが起こるかわからないので、やはり緊張状態にあるわけです。

自覚はしていなくても、
人間の自律神経は狩りや逃走とおなじ状態で緊張状態におかれるのです。

しかも、それが休みなく続く。

狩猟採集であればのんびりする時間もあるのですけれど。
ジャパリパークみたいな)
就業時間や出退勤のときには、とてもありませんよね。

こういった状態に長くおかれると、
アドレナリンが放出されっぱなしの状態になります。
するとカラダが「いつ即応体制を解いていいのかわからないよぅ」と、
混乱しだすのです。

この結果、うつ病パニック障害が引き起こされるわけです。

かなりはしょって説明しましたが、ここらへんは↓の書籍がとてもおもしろく書けています。

人はどうして死にたがるのか 「自殺したい」が「生きよう」に変わる瞬間

人はどうして死にたがるのか 「自殺したい」が「生きよう」に変わる瞬間

まあ、そういうわけで。
このようなしくみでストレスが精神障害を引き起こすわけですね。

ストレス起因の精神障害にはストレスを取り除くのがいちばん

このように引き起こされたうつ病パニック障害は、
どうやって治すのか。

「くさいにおいは元から絶たなきゃだめ」
なので、そもそものストレスを軽減するのがいちばんです。
ですから、うつ病になると休職してストレスを軽減したりするわけですね。

薬があるんだから薬で治せばいいんじゃないの?

と思うかもしれませんが、まずうまくいきません。
風邪のときに解熱剤を飲むのとおなじで対症療法にすぎないからです。

たとえばうつ病のときは、ストレス下にあることで、

みんなが自分のことをダメな人間だと思っている。もうだめだ
(現実:ほんとはそんなことない)

といった認知の歪みを抱え込んでいます。

これは薬で治すことはできません。
緊張状態におかれる職場を避け、家でゆっくり休み、
認知の歪みを直さなければどうしようもないんですね。

パニック障害も、

電車に乗ると死にそうになる!

という症状を抱えているのに、薬を飲んで無理に今まで通り電車に乗ってもよくなりません。

いったん電車に「乗らなくてはいけない」という状況から退避して、
薬を飲みながら、一駅ずつ電車に乗って自信をつけていったりします。

そういうことなので、いったん心の病気にかかったら、
ストレス(のもと)を取り除くのがいちばんなのです。

逆に言えば、
ストレスが継続してカラダにかかればかかるほど、
どんどん症状は悪化していきます。

ストレスが精神障害によくない、というのはこういうゆえんです。

先天的な障害だったら関係なくない?

前項の説明だと、

うつ病とかは後天的なものでしょ?
AD/HDとかは先天的なものなんだから、ストレス関係なくない?

と思う人もいるかもしれません。

実際にはそのように区分することにはあまり意味がありません。

なぜかというと、ADHDのような障害は、
その障害によって社会的不適応に直面することで
うつ病パニック障害などを併発している事例が多いからです。

実際、ADHD患者の10パーセント以上は双極性障害を併発しています。

そのため、
ADHD単体では日常生活に支障をきたしておらず気づかなかったが、 うつ病などを併発することで悩み、
クリニックに通いはじめる人が多いんですよね。
で、しばらく治療を続けるうちに「あれ? これはADHDでは…」と。

つまり、障害を抱えているために
多大なストレスによる精神疾患の発症可能性が高くなるわけです。

当然ながら、ADHDですでにうつなどを発症している場合も、
ストレスで悪化します。

これはADHDに限らず、ほかの人格障害とかいろいろな病でもおなじです。

ですので、やっぱり先天的な障害でもストレスはよくないのです。

本人の思いと医療

結論に近づきましたが。

こういった背景で、病者本人が

ぼくはADHDだから、ひとより長い時間働きたいんだ

と願うことは、医療的側面から本人にとって好ましくない結果をもたらすことが多いと思います。

ADHDでも長時間労働すればうつ病パニック障害にかかりますし、
そもそもそういう症状の側面をすでにもっていれば悪化しかねません。

ですから残業規制が守っているのは(いわゆる)健常者だけではないのです。
ADHDのひとたち自身も対象であり、意味のある規制になっているのです。

これは、

病者自身のQoL上からくる思いと医療(あるいは社会保障)がバッティングする事例

だと思いますが。ADHDに限った話ではないです。

たとえば、うつでもそうですよね。

うつだからといって休職したくない!
バリバリ働きたい!

…だいたいよくない結果に終わります。

いわゆる本来の躁うつ病の人も、

ぼくはいますごく才能にあふれているんだ!
結果を出すためにじゃんじゃんやっていきたい!

とかいう状態になったり。単に陽性期であとで悔やむんですよね。

こういうとき、ぼくらはいったいどう対応すべきだと思います?

ぼくは、

医療的に(いわゆる)健常者とおなじ枠組みで暮らす(働く)ことが
その病者に対して社会保障的に有効であるならば、
おなじ枠組みで暮らす(働く)べき

だと思います。

こういう保障の枠組みを、
「多様性を認めないことだ!」
と批判するのは、いくらなんでも牽強付会にすぎるのではないでしょうか。

お。
PCで書いたらこのあいだよりまともな文章になったぞ。
ということで、さようなら。